東洋医学とは

人体を構成する「気」「血」「津液」

東洋医学では、人体を小宇宙としてとらえ、その小宇宙は「気」「血」「津液(しんえき)」によってです。

気功が一般的になって、気という言葉もずいぶん使われるようになってきました。気とは、私たちの生命の源ともいえるエネルギーのことです。

血は、文字どおり血液です。東洋医学では、血液という物質だけでなく、そのはたらきも含めて「血」と表現します。

津液

津液(しんえき)は、体内にあるすべての液体(血清、細胞液、汗、涙など)と、それらの機能を指します。

「気」「血」「津液」の関係

気と血と津液は、それぞれ相互に密接な関係をもっていて、気の流れが悪くなれば、血や津液の流れも滞ります。

一つでも不足すると病気に

人間のからだは、十分な量の気、血、津液がスムーズに流れていることで、健康を保つことができます。しかし、一つでも流れが悪くなったり、量が不足すると、体調が悪くなり、それが進むと病気になってしまいます。

邪気が蓄積されてがんになる

がんも基本的には同じことで、1637年に書かれた『医宗必読』という漢方医学書には、「正気、不足なれば、邪気が踞(きょ)する」と記されています。つまり、正気不足から邪気が蓄積されて、がんを引き起こすのです。

病気になる4つの原因

東洋医学では、正気が不足して、邪気が蓄積され、病気になるプロセスは、次のように4つのタイプに分類されています。

1:熱毒蘊結(ねつどくうんけつ型)

熱毒蘊結(ねつどくうんけつ)型では、邪熱が内にこもって発散されない状態となり、内臓などの「臓腑」(ぞうふ)が焼かれます。それによって、毒を生じて、病気となります。

2:痰凝毒聚型(たんぎょうどくじゅ型)

痰凝毒聚型(たんぎょうどくじゅ型)は、脾と肺の機能失調によって体内の水が分散できず、凝結して痰になり、これが集まって臓腑に付着して毒を生じて病気が発生します。

3:気滞血お型

気滞血お型では、気の流れが滞ったり、血液循環の悪い状態が続くことで、病気になります。

4:陰陽失調型

さまざまな種類の陰陽失調(バランスの崩れ)が臓腋の失調を引き起こし、これに邪気が滞留して病気になります。