成人病の予防
成人病は生活習慣病
日本人の平均寿命は、世界的にトップレベル。日本社会では、人生80年時代がすっかり定着してきました。しかしその反面、長生きすればするほどさまざまな病気に悩まされている人も少なくないようです。
ガン、心臓病、脳卒中
近年、環境衛生の改善、薬剤の進歩、医学知識の普及などにより結核や急性伝染病は減少しているのに反し、ガン、心臓病、脳卒中といったいわゆる成人病が傷病や死因の上位を占めるようになっています。
最大の要因は「食生活」
これらの成人病の危険因子として、肥満、高血圧、動脈硬化などがあげられますが、それらの一番影響の大きい因子が、食生活であるといわれています。
生活習慣病
「成人病とは生活習慣病である」といわれて久しいです。これは、成人病が子どもの頃からの生活習慣、食事習慣の積み重ねによりもたらされる結果であるという意味です。
ですから成人病を予防するためには、できれば子どもの頃から望ましい食事習慣をしっかり身につけておくことが大切です。
今からでも、おそくはありません。食生活を改善することにより、成人病の危険を減らし、健康な生活をおくることができるのです。
食生活を改善するだけで100%成人病にならずにすむかといえば、もちろんそうではないでしょう。
病気の確率を下げる
しかし、脳卒中にしろ心筋梗塞にしろ、いわば交通事故のようなものです。同じ交通事故でも、交通ルールを守り安全運転をしている人と、信号も守らず暴走運転を繰り返す人とでは、事故を起こす確率もおのずと異なってきます。
正しい食生活を身につけることで、成人病という事故にあう確率をぐっと減らすことができるのです。
これが改善の具体策!
具体的に成人病を予防する食生活としては、次のような事柄があげられます。
(1)食塩は、1日10g以内とする。塩小さじ1杯が約5g、みそ汁1杯が1~2g、ラーメンー杯が6gなどが目安になります。
(2)砂糖は、1日50g以内とする。大さじ1杯の砂糖は約10g。
(3)コレステロールは、1日300㎎以内。動物性油脂や卵を避け、魚油や植物油を利用するとよいでしょう。
(4)アルコールは控えめに。ビールなら1本、酒なら1合、ウイスキーならシングル2杯以内が目安です。
(5)繊維質の多い食物をとる。たとえばコンニャク、ダイコンなどの根菜類や海藻類などがあげられます。
(6)発ガン物質の多い食品、たとえば焼魚の焦げやワラビなどは多量にとるのを控えましょう。