心のシンドローム

青い鳥症候群とは

青い鳥症候群とは、理想にこだわり過ぎて現実に対処できないメンタル症状のことです。

幸福の青い鳥を求め歩く童話にあるように、いつまでも子ども時代の夢や理想にこだわります。理想を追い求め、現実的に対処できずに、年代に応じた社会的役割を避ける傾向があります。

大学へ行っても、将来の社会人としてのビジョンがもてず、留年を繰り返して卒業しようとしない人も、一種の青い鳥症候群だともいわれます。就職後、短期間のうちに何度も勤務先を変える人も該当します。

結婚についても消極的で、性格的には自己愛的傾向が見られるとされます。一種のモラトリアム状態の長期化です。

モラトリアムとは

「猶予期間」の意味。いつまでも既成の大人社会に同一化しないままでいる状態をさします。

出勤拒否症

朝起きて、会社へ行くために準備を始めるが、なかなかすすまず、促されて、やっと出かけるが、駅まで行ってUターンして帰ってきたり、公園などで時間をつぶして、結局は出勤しません。

理由を尋ねられても、「魔法にかかったみたいだ」といった回答になります。毎朝きまって症状が起きることから、「朝刊シンドローム」とも呼ばれています。

帰宅拒否症候群

逆に、就業時間を過ぎても職場にいつまでも残っていて、家に帰ろうとしない人がいます。仕事もさして能率はあがらず、職場を出ても、町でただ時間をつぶしてしまうのが、この「帰宅拒否症候群」です。理想を抱いて社会や人々のために献身的に仕事をしている人が、急に仕事に対する興味や関心を失い、無気力となり、心身ともに極度の疲労状態に陥ることがあります。

背後に、うつ病などの症状が関係している場合や、家族問題などを抱えていることが影響することもあります。サラリーマンを中心に管理された現代社会の問題と関連があると考えられています。

燃え尽き症候群

理想を抱いて社会や人々のために献身的に仕事をしている人が、急に仕事に対する興味や関心を失い、無気力となり、心身ともに極度の疲労状態に陥ることがあります。

いわば、上り坂をフルスピードで走っていた自動車が、オーバーヒートでエンジンが故障し、動かなくなった状態にたとえることができます。

サンドイッチ症候群

以前は、看護師や、ソーシャル・ワーカーなどの医療や福祉を専門とする職業の人たちによくみられました。

近年では、広く対人サービスをする人たち、たとえば職場の管理者にもみられ、組織管理上の責任による板ばさみ状態がストレスとなることから、「サンドイッチ症候群」「管理職症候群」としても、とりあげられています。

無自覚の過労が関係

いずれにしても、燃えつき症候群に至る過程には、過労状態と、それへの無自覚が作用している場合が多いようです。