「子宮・卵巣がん」(子宮・卵巣癌)の手術件数の全国病院ランキングです。2017年の実績ベース。厚生労働省(厚労省)のデータに基づいています。子宮・卵巣癌専門の医師がいる全国の病院が対象です。 1位は東京のがん研有明病院。2位は埼玉医科大学国際医療センター、3位は兵庫県立がんセンターとなっています(リトリート編集部 大畑亮介)。

手術件数ランキング(全国トップ30)~2017年実績

順位 病院名 手術数
1位 がん研有明病院
(東京)
513
2位 埼玉医科大学国際医療センター
(埼玉)
337
3位 兵庫県立がんセンター
(兵庫)
301
4位 埼玉県立がんセンター
(埼玉)
227
県立静岡がんセンター
(静岡)
227
6位 東京慈恵会医科大学柏病院
(千葉)
225
7位 慶応義塾大学病院
(東京)
219
8位 東北大学病院
(宮城)
217
9位 大阪大学病院
(大阪)
211
10位 国立北海道がんセンター
(北海道)
210
11位 大阪医科大学病院
(大阪)
202
12位 自治医科大学病院
(栃木)
196
13位 大阪国際がんセンター
(大阪)
195
九州大学病院
(福岡)
195
15位 愛知県がんセンター中央病院
(愛知)
194
16位 岩手医科大学病院
(岩手)
184
17位 名古屋大学病院
(愛知)
181
18位 神奈川県立がんセンター
(神奈川)
177
19位 千葉大学病院
(千葉)
175
20位 札幌医科大学病院
(北海道)
173
21位 筑波大学病院
(茨城)
172
22位 倉敷成人病センター
(岡山)
167
23位 東海大学病院
(神奈川)
162
24位 日本大学板橋病院
(東京)
154
25位 大阪市立大学病院
(大阪)
153
26位 鹿児島大学病院
(鹿児島)
151
27位 神戸市立医療センター中央市民病院
(兵庫)
149
28位 山形大学病院
(山形)
148
29位 国立がん研究センター中央病院
(東京)
145
30位 近畿大学病院
(大阪)
144
愛媛大学病院
(愛媛)
144

子宮・卵巣がんとは

子宮がんは、子宮頸癌と子宮体癌がある。子宮頸癌になる原因は、不明である。

子宮体癌は、長時間、エストロゲンの影響下にある場合に発生しやすい。黄体ホルモンには体癌発生抑制作用がある。

卵巣がんは、卵巣を構成する細胞には胚細胞、体腔上皮細胞、性腺間質細胞などがあり、それぞれ幅広い潜在的な分化能力をもつため、卵巣より発生する腫瘍にはさまざまなものがある。

時間とともに周辺臓器への直接浸潤、腹腔内への播種、リンパ行性転移、血行転移により進展する。

子宮内膜症・子宮筋腫

病気・症状

子宮内膜症も子宮筋腫も、共に子宮の良性疾患。子宮筋腫は良性腫瘍で、自覚症状が少ないため、婦人科検診で見つかる場合が多い。

主な症状は、月経痛や月経血量の増加で、貧血症状が出ることもある。

内腔に発育する粘膜下筋腫では小さくても症状が強く出る。

また、筋腫が大きくなると腹部膨満、頻尿、便秘などの圧迫症状や血栓を引き起こす。

その発生・増大は、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量と深い関係があり、月経のある間は大きくなり、閉経すると小さくなる。

一方、子宮内膜症は、子宮内腔にある内膜組織が、それ以外の子宮筋層や卵巣・腹膜・腸などに発生する病気。

月経のたびに月経血が腹腔内に漏れ出し、患者の多くは月経痛・腹痛に苦しむ。不妊の原因になり、がん化することもある。

検査・治療

子宮筋腫や子宮内膜症の診断は問診・内診・超音波検査・MRI検査で行い、急速に増大する場合は子宮肉腫や卵巣腫瘍との鑑別を要する。

子宮筋腫の治療には薬物療法と手術療法があるが、無症状の場合は経過観察となり、治療が必要になるのは数%に過ぎない。

治療法の選択は筋腫の状態・位置・数、今後妊娠を希望するかどうか、などを考慮して決定する。

痛みがある場合にはプロスタグランジン合成阻害薬という痛み止めを用いる。この薬は痛みが強くなる前に早めに服用するとより効果的である。

手術には筋腫のみを摘出する筋腫核出術と子宮を摘出する単純子宮全摘術があり、それぞれ開腹または腹腔鏡を用いた手術がある。

どの術式を行うかは筋腫の大きさや数などを考慮して決定する。

粘膜下筋腫は子宮鏡下で切除する。

その他、保険適用ではないが、動脈塞栓術や集束超音波療法などもある。

子宮内膜症も薬物療法、手術療法などがあり、手術は低侵襲な腹腔鏡下手術が主流。

薬物療法では低用量ピル、黄体ホルモン、GnRHアゴニストなどを用いる。

ドクター・病院選びのポイント

年齢や挙児希望の有無、不妊治療など、患者の状態、ライフサイクルなどを考慮して治療法を選択し、治療の難しい場合は適切な病院を紹介してくれる医師を選ぶこと。

治療法の選択に迷ったときは、遠慮せずにセカンドオピニオンを受けるようにしよう。

実際、受診先によって全く異なる治療法を提示されるケースもある。

<引用文献>
「ドクターズガイド―治せる医師を本気で探す」